スラッシュ水素研究所 ロゴ
摺動流から擬均質流となる高流速時に、円管中央部に移動した固体粒子群が管壁での乱流発達を抑制し、スラッシュ流体の圧力損失低減と熱伝達劣化が発生することが可視化観察等の実験から得られた。
この現象が発生する時の管断面での固相率分布をロゴにしました。
大平 勝秀(Dr. スラッシュ)
Katsuhide OHIRA (Dr. Slush)
経歴
- 1975年~2004年 三菱重工業(株)長崎研究所 勤務
① 国内初の大規模液体水素流動試験設備(100 気圧、流量 20 L/s、20 L/h パラ水素液化機、1975年完成)、高圧・極低温He流動試験設備(420 気圧、20 K)等を使用して、液体水素、固液二相スラッシュ水素等極低温流体技術の研究・開発
② 液体水素を燃料とする H-Ⅰ、H-Ⅱ、H-ⅡA ロケットの開発
③ 大型水素液化機(秋田県田代 350 L/h、鹿児島県種子島 1300 L/h)、He液化機(大阪市立大学 18 L/h)、G-M型小型冷凍機(10 W at 20 K and 30 W at 80 K)、スターリング型超小型冷凍機(1 W at 80 K)の開発
④ 水素の凝縮・液化熱伝達率が Nusselt 層流理論式と一致することを世界で初めて実証した研究
⑤ 世界初の磁気冷凍による水素液化の実証と高効率水素液化技術の研究
⑥ ダイムラーベンツ社(DASA)と共同研究を実施(1996~2001年)、DASAは液体水素技術、三菱重工業(研究代表者:大平勝秀)はスラッシュ水素技術を分担
⑦ 高エネルギー加速器研究機構トリスタン計画超伝導加速空洞用クライオスタットの開発
⑧ 宇宙機用姿勢制御スラスタ(ヒドラジン)、火星探査機用スラスタ(四酸化二窒素/ヒドラジン)の開発
⑨ 超流動ヘリウムの流動・伝熱研究
高圧ガス製造保安責任者(甲種機械取得)
博士(工学):論文題目「水素の液化およびスラッシュ化に関する研究」
- 2004年~2016年 東北大学 教授(流体科学研究所 極低温流研究分野)
① スラッシュ水素、スラッシュ窒素、気液二相液体窒素の流動・伝熱研究
② スラッシュ水素を利用した高効率水素エネルギーシステムの実用化研究
③ スラッシュ窒素の圧力損失低減、伝熱劣化が同時に発生すること(レイノルズのアナロジー)を初めて実証し、その発生メカニズムを解明した研究
④ スラッシュ流体の三次元流動・伝熱解析プログラム(SLUSH-3D)の開発
⑤ 液体窒素のキャビテーション不安定流動の研究
- 2016年 4月 東北大学 名誉教授
2016年 4月~2018年 3月 宇宙航空研究開発機構(JAXA)客員教授
2016年 5月 スラッシュ水素研究所 設立(代表)、低温工学・超電導学会 フェロー
液体水素、スラッシュ水素、スラッシュ窒素等の極低温技術の普及とスラッシュ水素を利用した高効率水素エネルギーシステムの実用化を現在行っている。
主な著書(共著)
- 水素の液化と低温装置
冷凍空調便覧 機器編(日本冷凍空調学会 2006)406-408. ISBN: 978-4-88967-091-2. - 磁気冷凍液化技術(磁気冷凍法による水素液化技術)
水素利用技術集成 Vol. 3(㈱エヌ・ ティー・エス 2007)453-461. ISBN: 978-4-86043-146-4. - スラッシュ水素を用いた高効率水素エネルギーシステム
水素利用技術集成 Vol. 4(㈱エヌ・ ティー・エス 2014)301-312. ISBN: 978-4-86469-082-9. - Slush hydrogen production, storage, and transportation.
Compendium of Hydrogen Energy, Vol. 2 (Woodhead Publishing, Elsevier Ltd. 2015) 53-90. ISBN: 978-1-78242-362-1.
主な受賞
- 1975年 3月 日本航空協会 航空学術賞
- 2008年 8月 日本混相流学会 平成19年度技術賞
極低温スラッシュ流体を利用した混相冷却法の開発。 - 2011年 5月 低温工学・超電導学会 平成23年度論文賞
水平管内を流動するスラッシュ窒素の圧力損失低減現象。 - 2015年 5月 低温工学・超電導学会 平成27年度学術業績賞
スラッシュ流体の流動伝熱研究とスラッシュ水素を利用する水素エネルギーシステムの実用化研究。 - 2016年 5月 低温工学・超電導学会 フェロー
スラッシュ水素など極低温流体および水素エネル ギー研究に関する顕著な業績。
学術論文など
- 研究論文 (査読有り) 51 件
- 大学紀要など 12 件
- 展望・解説 15 件
- 受託研究報告書 28 件
- 招待講演 22 件
- 国際会議発表 48 件
- 国内学会発表(本人発表分)55 件
特許、実用新案(登録済)
- 極低温流体の密度計測装置 ( 特許第3572200号)
- 磁気冷凍機 ( 特許第3316356号)
- 超伝導液面計(特許第4963016号)ほか
合計 51 件